「全国優良畳店 35事例集」
畳店No.13※期間限定公開
東京都板橋区 株式会社 加藤畳店
代表取締役社長 加藤 和男様
<タイトル>
お客様満足を徹底して紹介客が増えています
<発表内容>
私は東京都板橋区で100年続く畳屋の4代目です。
現在息子(5代目)と二人で仕事をしています。
平成15年1月に「事例発表セミナー」に参加しました。
何となく参加しましたが、機械メーカーから聞く話は、うさん臭い気がしておりました。
ところが畳屋さんから具体的なお話を聞き、大変共感しました。
それからは構造改革について、真剣に話を聞くようになりました。
当時の売上は1300万円程度、畳の注文を待っている状況で、リフォーム会社に仕事を持っていかれることもありました。
周辺を見渡すと同業者も10年経つと後継者も無く廃業するので、それまでの辛抱だと思っていました。
お客様は畳替えをどこに頼んで良いかわからない事だと教えられ、「何もしなけりゃ注文は来ない」ということに気が付きました。
スーパーミニラインを導入して、構造改革を平成15年4月からスタートしました。
コンサルタントからチラシを提案されました。
以前は畳屋がチラシを出すなんて考えてもおらず、「そこまで落ちぶれていない」と思っていました。
しかし「積極的にやろう」と考え、周辺に2万5千部折り込みました。
ちょうどイラク戦争の頃で社会が不安定なこともあったのか反応は悪かったです。
5件の注文しかありませんでした。
月間目標は150万円で実績は88万円でした。
これでは食べていく事が出来ず赤字状態のスタートでした。
そこでコンサルタントと相談して、お金をかけないで存在を表す方法を考えました。
当店は商店街から1本路地に入っているので、目立つ看板を作ることにしました。
新品の畳を使い半帖の看板を曲がり角に立てさせてもらいました。
人目を引く事が出来ました。
その畳にチラシを貼りつけたり、セールの案内、お店はこっちですよとアピールしました。
透明封筒に価格表と5センチ四方に切ったござを入れて置きました。
そうすると250~300通ぐらい持って行ってくれたので大変効果がありました。
お店の宣伝は重要です。
知名度を上げることが出来ました。
チラシの効果は地域によって差があるようですが、「お知らせをする」意味はあります。
ピザ屋さんをヒントに、ポスティングも透明封筒にチラシとござの切れ端を入れて配りました。
お部屋の中に持って行ってもらい、ゆっくり見てもらおうと思いました。
今ある畳と比較してもらう効果があります。
畳を作るとき切れ端が出るので取っておきます。
早めに仕事が終わったら封筒に入れる作業をしています。
雨が降っても遊ばず営業の準備作業をしています。
5000部くらい空いた時間にポスティングしました。
努力した結果反応がありました。
単価の高いござの注文も取れました。
ホームページも早くから設けていましたので、チラシにホームページアドレスを載せると注文が入り始めました。
昨年は40件の注文がありました。
中には他の畳屋さんの真ん前の家にも行きました。
抵抗はありましたが、注文が来たから仕事をさせてもらうとご挨拶しました。
お客様に
「なぜ目の前にある畳屋さんに注文しなかったのか?」理由を聞くと
「仕事をしている積極性が感じられなかった」ということで声をかけにくかったそうです。
やはり受け入れ態勢を良くしておく必要があります。
電話対応にも気をつけました。
見積りに行くときも銀行員を見習い、服装も整えて礼儀正しくするようにしました。
イメージが良いようにしました。
DMからは30件程度の注文が入りました。
一度仕事をさせてもらったお客様は刺激を与えれば次の注文をいただけます。
7~8年前のお客様から4~5件の注文が入ります。
去年仕事をしたお客様にもDMを出しています。
当店は掃除を徹底しています。
畳を納めてからお客様は一切何もしなくてもよく、「すぐに横になれますよ」と言っています。
雑巾掛けの必要が無いので大変喜んでいただき、仕事を紹介してくれます。
時には「娘さんの家をやってくれ」という事もあります。
いろいろな仕掛けやサービスをする事によって、どんどん注文が取れるようになってきました。
残念ながら3月の売上は落ちましたが、仕掛けの準備が遅かった結果です。
その分しっかり準備した4月は昨年の3倍の仕事が来ました。
やっと順調な波に乗れたような気がします。
※平成20年7月5日「東京セミナー」発表内容より
<平成25年追記>
平成21年に従業員を1人雇い、平成24年に更に1人増やし、現在4名体制で売上4000万円を超えています。
いずれも若く、まじめに仕事をしてくれて、私も少しずつ作業から抜ける事ができ、バトンタッチが上手くいっています。