「全国優良畳店 35事例集」

畳店No.31 ※期間限定公開

広島県安芸高田市 川口畳店(株)

代表取締役社長 川口 隆様

 

<タイトル>

何でも積極的に挑戦して個人客の売上アップに成功

 

<発表内容

広島県安芸高田市は広島市の北に位置し回りは山にかこまれています。

 

人口3万人、約1万3千世帯です。

 

隣の広島市安佐北区9千人、4千世帯と併せて商圏としています。

 

商圏内に畳店は14軒有ります。

 

私は昭和48年生まれ39歳で、両親・妻・子供3人の7人家族です。

 

特技は小学校から始めた柔道で五段です。

 

審判や指導員の資格を持っています。

 

昭和52年父が畳店を起業しました。

 

毎日朝早くから夜遅くまで仕事をしていました。

 

土日も無くどこにも連れて行ってもらえなかったので、子供の頃は畳店の後を継ぎたいとは思いませんでした。

 

高校から寮生活をし、大学では一人暮らしをしていました。

 

そこで親の有り難みを初めて知りました。

 

それで後を継いでみようかという気持ちになりました。

 

昭和55年から平成7年までワラ床の製造もしていました。

 

平成10年極東産機のふすま講習会に初めて参加しました。

 

参加した理由は、ふすまの外注先が辞めてしまい、それなら自分で張ろうと思った事です。

 

自分でも使えると判断して襖表張機を導入しました。

 

構造改革のキッカケは、その年の10月に広島であった展示会&セミナーに参加した事です。

 

構造改革セミナーで元気な畳店の話を聞き、初めて自分達も「何とかしなくてはいけないかな」と問題意識を持ちました。

 

それまでは危機感が全く有りませんでした。

 

仕事が無いのは景気のせいで、そのうち景気が良くなれば何とかなると考えていました。

 

そういえば工務店の仕事も減り、新築が減ってきているなと感じていました。

 

しかし当店の様な過疎地域でも同じ様に出来るのか、売上を伸ばす方法があるのかと疑問を持っていました。

 

もし仕事が増えたら、今の機械で製造能力が問題無いのかどうかとも思っていました。

 

セミナー等で出会った方々とお話をし、いろんな畳屋さん、何億と稼ぐ畳店、小さくても地道に努力されている畳屋さんがいるのにビックリしました。

 

ぜひ構造改革をやりたいと思いましたが、前年に襖表張機を買ったばかりなので続けて機械を入れるのもどうかなと思いました。

 

うちの親父は頑固で職人気質なので説得するのが一番の問題でした。

 

親父を極東さんに説得してもらい、「やるなら今しかない」と思い決断しました。

 

 

成11年に構造改革をスタートし、両用ロボットⅢ型と顧客管理ソフト「恵比寿」を入れました。

 

両用ロボットを入れた時、他社の框縫機械の高さを高くしてもらい、かがまなくて良くなり腰が楽になりました。

 

親父一人でもボタンひとつで縫えるので製造効率が上がりました。

 

1時間に6~7枚製造出来ました。

 

その後仕事が順調に増えてきたので、平成16年にはコンパクトラインに入れ替えました。

 

お客様の購入履歴はパソコンで管理しています。

 

当店はリピーターも多く、「前と同じのでお願い」と言われることが多いので、すぐに購入履歴を調べることが出来ます。

 

前回の種類が判ることによって、さらにランクアップの提案も出来るようになりました。

 

新畳の割り付けもコンピューターでスムーズに出来ます。

 

生産効率が上がり空き時間が出来ました。

 

その時間を利用してポスティングや地域のボランティアに参加して、知名度を上げる努力をしています。

 

コンサルティングを受けた理由は、色々な情報を知りたかったからです。

 

特に他店の事を知りたかったです。

 

また自店の分析も第三者に見てもらいたかったです。

 

また営業に関しても何をしたら良いか判りませんでした。

 

まず会社内の改革として取り組んだ事は企業革新することでした

 

原価の見直しを行い、在庫の取り決めを行いました。

 

また制服を作ることによりお客様からの印象が良くなりました。

 

経営計画として長期計画、中期計画を作成しました。

 

月間目標も立てて達成感を味わう事が励みとなりました。

 

また未達成の場合は、反省し次の手を打つ様にしています。

 

ちなみに今年1月は130%、2月は100%目標達成できました。

 

設備投資についても経営計画を基に実行しています。

 

販促活動として新聞折込チラシを、3月・7月・9月・11月に各2万枚を入れています。

 

当社の統一カラーは黄色なので、チラシ・のぼり・名刺は黄色で作成しています。

 

電光掲示板も設置しました。

 

出会った人には積極的に名刺を配って、知名度を上げる努力をしています。

 

平成10年は売上1800万円で、平成11年襖表張機を入れて2000万円になりました。

 

 

構造改革後1年目平成12年は2740万円、平成14年には3500万円になりました。

 

その後ほぼ横這いでしたが、昨年は3000万円に下がりました。

 

チラシに値引き特典を載せるのをやめたのが原因かなと考えています。

 

今までは2万枚まいて20~30件の反響が有りましたが、5~10件しか有りませんでした。

 

やはり特典は付けた方が良いと思います。

 

受注割合は、個人客が45%から80%に増えました。

 

大家さんから賃貸の仕事も入る様になりました。

 

自社施工しているのは、畳・ふすま・障子・網戸・クロスなどの張替えで、畳以外の新調は外注に任せています。

 

お客様からの要望は出来る限り受けて元請となり、タイル工事・鍵交換・水漏れなどの注文も入ります。

 

1つ信用してもらえれば次の仕事に繋がり、紹介も多くなりました。

 

ダントツ畳店会・セミナー・JCS会等に積極的に参加しています。

 

色々な畳店さんと話すことを大切にしています。仕事のヒントになる事が多く、良いところは参考にしてすぐに取り入れています。

 

将来の展開として、地盤をしっかり固めて売上4000万円を狙います。

 

支店展開については一度出しましたが、再チャレンジを行いたいと考えています。

 

「精力善用 自他共栄」

 

自分の好きな言葉です。

 

これは講道館 嘉納治五郎先生の教えです。

 

心身生命力すべての力を最大限に活かして、社会のため良い方向に使いましょう。

 

相手に対して敬い、感謝する事で信頼し合い助け合う心をいたわる。

 

自分だけでなく他人と共に栄える世の中にしよう。

 

行動指針として

「教えてもらった事はまずやってみろ(判らなければ真似てみろ)」

 

とりあえずやってみて自分に合えば続ける、合わなければやめる。

 

判らなければ真似をすれば良いと思って行動しています。

 

※平成25年2月23日「山口展示会&セミナー」発表内容より