TOP MESSAGEトップメッセージ

頃安雅樹

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
世界的規模での3つの危機(=クライシス)を、連日マスコミが報じています。それは、「コロナ禍」「ロシアのウクライナ侵攻」「気候変動と災害」です。私は、故佐々淳行氏の「危機管理」に関する教え「悲観的に準備して、楽観的に対処せよ!」を当社経営理念にも盛り込んで忠実に実行しておりますが、企業経営においても今こそまさに「危機意識に基づく積極経営」が重要であると認識しております。
具体的には、コロナ禍により生じた2種類の変化、すなわち「元の状態に戻る変化」と「決して元には戻らない変化」のうち、とりわけ後者の「元に戻らない変化」に取り残されることのないよう、文字通り「ピンチはチャンス」と心得て、新商品、新事業、新制度等の検討を積極的に推進することであります。
さて、当期第74期の最大の出来事は、神岡工場内に建設中の新工場の竣工(2022年4月)でありました。新工場は総工費18億円、延床面積5,735㎡で「新組立棟」及び「生産本部棟」から成り、今後の脱CO2の旗頭であるEV用リチウムイオン電池製造装置等の製造・販売を主力とする産業機器事業部門の発展に大いに貢献し、当社の中期目標である売上高150億円達成への原動力となることを期待しております。
一方、来る75周年、更には80周年を踏まえた当社の中期的な方向性につき現在鋭意取りまとめ中でありますが、その基本テーマは「当社のCIの再構築」、「『2.4次産業』への展開」(※)、「当社事業のSDGsへの貢献」の3つであり、上記の中期目標達成のための諸施策に、第75期から早々に取り組んでいくことといたします。
このうち「CIの再構築」につきましては、後述の通り、理念体系をSTATEMENT、MISSION(存在意義)、BELIEF(経営理念)、VALUE(行動指針)の階層に再構築するとともに、2023年10月の第76期スタート時より社名を「KLASS(クラス)株式会社」に改めることとしております。
最後に、当社は2022年4月4日、東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」に指定替えされました。その際に求められておりましたコーポレートガバナンスコード全項目への適切な対応につきましても、引き続き鋭意取り組んでまいります。
今後とも、ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
(※)「2.4次産業」:
製造業(2次)とサービス産業(3次)の互いの接近がコロナを契機に加速するが、各々の基本的性格の転換までは行かず、2→2.4で、3→2.6で留まるであろうという一橋大学名誉教授伊丹敬之氏の言説

頃安雅樹